産業廃棄物収集運搬許可申請

◆ 廃棄物とは

 

「廃棄物」とは、不要物であり、かつ、そのものが他人に有償で売却することができなくなった

ものをいいます。
 廃棄物は、「一般廃棄物」と「産業廃棄物」の2つに大きく分けられます。

 

  ●廃棄物 ・・・・・・ 一般廃棄物(産業廃棄物以外の廃棄物)
                (例) ・家庭生活に伴って生じた廃棄物
                    ・事業活動に伴って生じた廃棄物でも産業廃棄物に

                                                      あたらないもの

   

                     ・・・・・・ 産業廃棄物(事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、法律

                    で定める20種類と、輸入された廃棄物)

 

 

 

◆ 産業廃棄物の種類

 

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)第2条第4項第1号・2号及び廃棄物

処理法施行令第2条に、産業廃棄物の種類が挙げられています。

 

1  燃え殻
2  汚泥
3  廃油
4  廃酸
5  廃アルカリ
6  廃プラスチック類
7  紙くず(特定の業種によって生じたものに限る)
8  木くず(特定の業種によって生じたものに限る)
9  繊維くず(特定の業種によって生じたものに限る)
10 動植物性残さ(特定の業種によって生じたものに限る)
11 動物系固形不要物(特定の業種によって生じたものに限る)
12 ゴムくず
13 金属くず
14 ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず
15 鉱さい
16 がれき類
17 動物のふん尿(畜産農業に係るものに限る)
18 動物の死体(畜産農業に係るものに限る)
19 ばいじん(集じん施設で集められたもの)
20 1~19又は21を処理したもので1~19に該当しないもの
21 輸入された廃棄物(航行廃棄物、携帯廃棄物を除く)

 

また、産業廃棄物の中でも、人の健康や生活環境に被害を与えるおそれのあるものを、

「特別管理産業廃棄物」としています。

(特別管理産業廃棄物の例:感染性廃棄物、燃えやすい廃油、一定のpH以下または以
 上の廃酸または廃アルカリなど)

 

 

 

◆ 産業廃棄物処理業とは

 

他人の産業廃棄物を業として収集・運搬又は処分しようとする者をいいます。


産業廃棄物処理業を営むには、知事等の許可を受けなければなりません

 

無許可で産業廃棄物処理業をおこなった場合は、5年以下の懲役又は1000万円以下の

罰金に処せられることがあります。

 

※自らの産業廃棄物を収集・運搬又は処分する場合は、産業廃棄物処理業にあたりません。

また、専ら再生利用の目的となる産業廃棄物のみの収集・運搬を業とする場合、許可を受け

なくてもよい場合があります。

 

廃棄物処理業 ・・・・・ 収集運搬業  ● 産業廃棄物収集運搬業
                      (特別管理産業廃棄物以外の産業廃棄物

                       の収集・運搬)

 

                    ● 特別管理産業廃棄物収集運搬業
                      (特別管理産業廃棄物のみの収集・運搬)

           

        ・・・・・ 処分業   ● 産業廃棄物処分業
                      (特別管理産業廃棄物以外の産業廃棄物の

                       中間処理と最終処分)
           
                    ● 特別管理産業廃棄物処分業
                      (特別管理産業廃棄物のみの中間処理と最終処分)

 

 

 

産業廃棄物収集運搬業許可取得の要件

 

産業廃棄物収集運搬業許可を取得するには、以下の要件をクリアする必要があります。
 
 「積替え保管」がありかなしかによって、要件が大きく異なります。

 

※ 積替え保管とは

  積み込んだ産業廃棄物を直接中間処理場や最終処分場に運搬するのではなく、一度

  積替え保管を行う場所に集積し、その後中間処理場や最終処分場に運搬することを

  いいます。

 

  ある程度産業廃棄物をまとめておいてから中間処理場や最終処分場に運べるため、

  効率化できるというメリットがあります。

 

  しかし、積替え保管ができる場所には制限があったり、保管のための施設(囲いなど)

  を設置する必要があるので、要件をみたすのが難しくなります。

 

 

◇ 積み替え保管なしの場合の要件

 

1. 場所(施設)の要件


   駐車場・・・使用権限があること(自己所有、賃借など)

   

   ※ 積替え保管なしの場合、場所の要件はそれほど厳しくありません。
   
2. 物の要件


(1) 車両・・・ア 使用権限があること
         イ 産業廃棄物が飛散、流出するおそれのないものであること
               ウ 車体の外側に、産業廃棄物の収集運搬の用に供する運搬車で
                              ある旨、会社名や許可番号を記載すること


(2) 運搬容器・・・産業廃棄物の運搬に適しており、産業廃棄物が飛散、流出、
                 悪臭の漏れるおそれのないものであること

 

3.人の要件
    申請者本人や法人の役員が、事業を行うに足りる技術的能力を有していること

 

    ※ 具体的には、「公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター」が開催する講習会
              を受講し、修了証を交付されている必要があります。

    ※上記の講習会は日程が予め決まっているので、事前に受講しておく必要があります

 

4.資金の要件
    事業を行うに足りる経済的基礎を有していること

 

   ※具体的には、利益を計上できていることや債務超過に陥っていないことが挙げられます。
            決算上赤字になっている場合は、他の書類の作成・提出を求められる場合があります

 

5. 適切な事業計画を有していること

 

6. 欠格要件に該当しないこと
             産業廃棄物処理業の場合は、暴力団員等でないことを特に強調する内容になっています。

 

 

◇ 積み替え保管ありの場合の要件

 

積替え保管なしの場合の要件に加え、積替え保管施設の要件をクリアする必要があります。
要件がかなり厳しかったり、事前に自治体に相談する必要があったりするので、積替え保管

をお考えの場合は、早めにご相談ください。

 

 

 

◆ 産業廃棄物収集運搬業許可取得までの流れ

STEP 1 

許可要件の確認

事業所が許可取得のための要件を満たしているかを確認します。

特に積み替え保管ありの場合は、保管場所の調査を入念にする

必要があります。

STEP 2

必要書類の収集

申請に必要な書類の収集を行います。

必要な書類は申請者ごとに異なりますので、収集書類の確認が

必要です。決算書類は事前に審査行政庁に確認を行った方が

良い場合もあります。

STEP 3

申請書類・添付書類作成

許可申請書やその他の添付資料を作成します。

運搬車両や運搬容器については、写真を取ることが必要です。

ただし、運搬容器は実物ではなくカタログで良い場合もあります。

STEP 4

申請書類の提出

申請窓口(北海道の場合は各振興局)に提出します。

その場で簡易チェックを受けるので、30分程度時間がかかります。

書類が揃っており、受理されることになれば手数料を収入証紙で

納付します。

STEP 5

行政庁の審査

行政庁にて、許可基準を満たしているかの審査が行われます。

ここで追加書類の提出や申請書類の修正を求められます。

審査期間の目安(標準処理期間)は、約30日(北海道の場合)です。

STEP 6

許可決定

審査に問題がなければ許可証が交付されます。

◆ 産業廃棄物収集運搬業許可の更新

 

産業廃棄物収集運搬業許可は、許可の日から5年の期限があります。


許可の有効期限の3か月前から1か月前の間に更新をしてください
(1か月前を過ぎると、更新できない場合があります)

 

!!注意!!  許可の更新に伴い、講習会も受けなおす必要があります

 

 

 

◆ 産業廃棄物収集運搬業の変更許可の申請

 

新規で産業廃棄物収集運搬業許可を受けたあと、事業の範囲の変更(取り扱う産業廃棄物

の種類の変更、新たに積替え保管を行う場合等)をする場合は、事前に事業範囲変更許可

の申請をする必要があります。

 

申請書類は、変更する内容によって異なります。

 

 また、住所、氏名、役員、車両又は事業場の所在地等を変更した場合は、変更等のあ
った日から10日以内に届出をする必要があります。

 

 

 

◆ 産業廃棄物収集運搬業許可の申請手数料

 

申請手数料 ・・・(新規)8万1000円
           (変更)7万1000円
             (更新)7万3000円

 

申請時に収入証紙で納付